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クローズアップ 大切な故人を安全に見送るために(救命胴衣の着用)

個別(チャーター)散骨、合同散骨など、遺族が船に乗って散骨をするプランの場合、普段乗りなれない小型船舶に乗船しなければなりません。平成30年2月から小型船舶での救命胴衣(ライフジャケット)の着用が義務付けられます。大切な故人を安全に見送るために。この機会にあらためて散骨をおこなう船の安全について考えてみたいと思います。今回は国土交通省海事局安全対策課に詳しく話を聞きました。

現状は努力義務だができるだけ着用してほしい

小型船舶とは、総トン数20t未満の船舶および全長24m未満のプレジャーボート(ヨット、モーターボート、クルーザー、ジェットスキーなど)を指し、海洋散骨で使用する船のほとんどが小型船舶になります。現状の規制で着用義務があるいくつかのパターンのうち、海洋散骨に関係があるのは12歳未満の小児のみです。その他、小型船舶の暴露甲板(デッキ部分など)にいる乗船者は着用の努力義務が課せられています。

「努力義務だから着用の必要はない。」という考えではなく、可能な限り着用してほしいという安全対策課の担当者。それには理由がありました。上の図を見て分かる通り、万が一海に転落してしまった時の生存率が2倍以上変わります。船のデッキから故人の遺骨を海に還す海洋散骨は、海面に向かって屈みこむ姿勢を取るので、客観的に見て転落の危険性があります。もちろん船の構造にもよりますが、乗りなれない船で散骨をおこなう遺族に対して、散骨業者がどのようにして安全を担保するのか、姿勢が問われる部分かも知れません。

平成30年2月から着用義務化

平成30年2月からは、小型船舶の乗船者はライフジャケットの着用が全面義務化になります。一口にライフジャケットと言ってもいろいろなタイプがありますので、着用時に使用方法など確認するほうが良いでしょう。いくつか適用除外(着用しなくてもよい場合)の項目がありますが、海洋散骨をおこなうにあたって考えられる適用除外の例は以下の通りです。

 
  1. 船室内にいる乗船者
  2. 防波堤内に係留された船にいる乗船者(努力義務)
  3. 船長が定めた安全場所の範囲内にいる乗船者(いくつか要件があります)
  4. ケガや障がいのある乗船者、妊娠中の乗船者
  5. 著しく体型が大きく安全にライフジャケットが着用できない乗船者
  6. 大人が保護・監督している1歳未満の小児
 

3番目の「船長が定めた安全場所」の要件はいくつかあるのですが、乗船者に分かりやすいのは船長が安全場所に指定している箇所にはその旨を記した掲示物を掲示しなければならないということです。安全場所の掲示がない場所でライフジャケットを着用していないと違反行為となってしまいますので注意が必要です。

海に還る故人のためにも安全な散骨を

散骨・海洋葬の料金は業者によってさまざまで、このサイトを含め多くの情報をインターネットなどから収集して依頼する散骨業者を決められていると思います。これまで小型船に乗ったことがない高齢の遺族が安全に散骨ができるよう、故人が安心して海へと還って行けるように。散骨業者はどう安全に配慮すべきか、今回の法改正をきっかけにあらためて考えていく必要があると思います。

 

ライフジャケットの着用義務拡大(国土交通省HP)

 
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