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クローズアップ 一般社団法人日本海洋散骨協会 総会レポート

2016年2月14日、全国の散骨会社と関連事業者25社が加盟する一般社団法人日本海洋散骨協会の総会が開催されました。今年は社団法人化して最初の総会で、昨年に比べ会員数も増え団体が大きくなっていることもあり昨年まで実施していた会員、非会員を問わず全国の海洋散骨事業者が参加できる「海洋葬サミット」は開催されませんでした。会議では地方自治体による海洋散骨に対する事実上の規制、ガイドライン(指針)の制定に対し、これから海洋散骨事業者は散骨・海洋葬を望む故人、遺族のために何ができるかをテーマに活発な議論が交わされました。

※前回の第3回海洋葬サミットレポートはこちら。

熱海市、伊東市で海洋散骨ガイドライン制定。陸地から約10km規制は妥当なのか。

会議は冒頭から昨年7月に静岡県熱海市が「熱海市海洋散骨事業ガイドライン」を、今年2月には同じく静岡県の伊東市が「伊東市における海洋散骨に関する指針」を施行したことを受けて、内容の確認とほかの地方自治体での動きについて意見交換が行われました。ガイドラインでは熱海市が「初島を含む陸地から10km」、伊東市が「陸地から6海里(約11.11km)」の海域で散骨をおこなうことを事実上規制しています。日本海洋散骨協会が制定する独自のガイドラインでは1海里(約2km)となっており、両市のガイドラインとは大きく距離が異なっています。


実際に陸から10~11km沖合まで船で向かうにはかなりの経費が必要となり、散骨料金を値上げせざるを得なくなります。また散骨で乗船する遺族の多くの方が船に慣れていない高齢の方なので、体力的にも長時間の乗船が厳しくなってきます。このような現実を踏まえ協会として行政に対してどのように働きかけるべきなのか、真剣に意見交換が行われました。また遺族が安心して海洋散骨を行なえるように協会で散骨証明書のバックアップデータを保管する、粉骨のみ希望される方への用途の確認や対応方法を検討するなど、海洋散骨が社会にとって必要な葬送であることを発信していくために今後やるべきことを話し合いました。

地域の海、社会と共生する海洋散骨を目指して。

約3時間ほどの総会が終わっても話が尽きることはありません。懇親会では各事業者が自社で散骨をおこなっている海域の状況や、自社の散骨の特徴などの情報交換を行ないました。遺族への対応、船の手配、粉骨、船上でのセレモニー、献花、写真撮影のやり方など、各社がそれぞれのやり方があり、とても興味深く話を聞かせていただきました。こうやって各事業者と話をすると各社のホームページには載っていない素晴らしい点がたくさんあることに驚きました。


村田会長は総会で「撒く側の考え方と撒かれる側の考え方の違い。」という言葉で周りへの配慮について説明をしていました。今回の総会では今後海洋散骨の規制が広がっていく傾向にあること、協会として行政に働きかけていく必要があること、社会に広く海洋散骨のことを知ってもらうこと。この3点が重要なテーマでした。海洋散骨が認知され始めた現在、これからが業界にとって大切な時期だと思います。「法令遵守」「撒かれる側の感情への配慮」「自然環境の保全」これらのテーマを業界がひとつになって社会に発信することが正しい海洋散骨の認知向上につながるのではないでしょうか。


一般社団法人日本海洋散骨協会ホームページ


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